サンタクロース物語

一人前のサンタを目指す少年の成長記
+テキストごった煮
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Page7 〜separation

先延ばしにしてるとあっという間に時は流れてしまうものですな(滝汗)

JUGEMテーマ:小説/詩
 

 この寒い土地にも徐々に春の訪れを感じつつあるなぁ…。
最近レイブのおっさんに言われた「目に見えるものがすべてじゃない」って言葉を考えているんだがこんな春の訪れも風や土の匂い暖かい気候なんていうのは確かに目に見えないものなのかもしれない。今までの俺なら確かにそこまで深く何かを感じることはできなかったかもしれない…。ここに来て俺も何か変わりつつあるのかもしれないな…。

と自分の部屋で哲学的な事を考えていると隣の部屋から言い争う声が聞こえた

「私は、日本に帰って黒須おじさまの推薦してくださった学校に通うの!!」
「俺はそんな話聞いとらんで!!お前はどうしていっつもやることが突拍子もないんや!!」
「もう前から決めてたの!!シェトラやライラさん三太だってこの事は知ってるんだからねっ!!」
「なんやて!?」

あぁ…面倒事に巻き込まれそうな気がする…そうだ寝た振りをしてやり過ごそう…。俺は布団を被ってベッドで横になった。勢いよくドアを開け直樹が入ってきたそれを追って梢蘭もやってきたようだ…。
俺はしらん。知らないぞぉぉぉぉ

「おい、三太。梢蘭の帰国の話、お前知ってたのか?」
「ぐーぐー。」
「お前は、いつも寝たふりが下手糞なんだよっ!!」
直樹が勢いよく布団をひっぱがした。

「ねぇ、三太からも言ってよ!!お兄ちゃん反対してるんだよ私の帰国に」
「ボクハナニモシリマシェン」
俺がすっとぼけを貫き通してると梢蘭はとんでもないことを言い出した
「私にあんなことしといてトボける気!?ひっどーい!!」
「マテコラ!!アレはお前から仕掛けてきたことだろうがっ!!」
「ふ〜んやっぱり三太君は何か知ってるようやね。さぁ、洗いざらい吐いてもらうか。」

そういうとナオキは指をボキボキ鳴らしはじめた。あぁ……俺、ハメられたんかなぁ…。
仕方なく俺達は1階リビングに下りて兄妹会議に付き合うことにした。俺は梢蘭から聞いた話を全てありのままナオキに話した。

「別にいいんじゃねぇの?梢蘭は語学勉強をここに居た間も熱心にしてたみたいだし、親父のお墨付きの学校なら安心じゃね?」
そういうと直樹はこう反論した
「俺はまだいい。だが梢蘭のあの耳を見てみろ!!あんな耳やったら人間ばっかのとこに言ったら何て言われるか…。」
俺は、気付けなかった…。そうだ人間というのは人と異なることを嫌い異なる人間を排除する性質がある…。肌の色が違うだけで…生い立ちが少し変わっているだけで……。普通の人と少し違うだけで…。 
  
    「お互いの個性を認め合いお互いを尊重して生きていきましょう」
それは所詮綺麗事、ならばなぜ戦争は起こる?なぜ世の中から争いは耐えない?それは、「異なるものは排除せよ」という生物の本能において他ならないんじゃないか?

俺がナオキの言葉に口をつぐんでいると、梢蘭が口を出した
「私が何も考えてないとおもわないでよねっ」
そういって自分の耳にふれると梢蘭の耳がなくなったように見えた。
「どう?私って少し魔力があるみたいで、それをちょこちょこっと使えるようにライラさんに教えてもらっちゃった。そんでまたこうして耳をさわるとね」
梢蘭がまた耳に障ると耳がまた現れた。突然の出来事に唖然としてる俺達に今から眠りにつこうとしているライラが俺達の傍まできてこう言った
「昔、亜人が人と暮らしていた頃人の姿に近づいて人の生活に溶け込めるように身につけた防衛手段を梢蘭に教えた。これで梢蘭は学校に通える……やったね…。」
「そーいうこと。私も耳のことがあったからおじ様の推薦を受けなかったの。でも…本当は学校に行きたかった…この島にそういう施設あると思ったんだけどないみたいだし…。」

もうそんなとこまで話は進んでいたなら話は早い

「じゃぁ、いいんじゃね?まだナオキには反対要素あるわけ?」
「ほなら、勝手にせいや!!俺は知らん!!」
とナオキはドカドカと足音を立てて階段を上っていった。
「お兄ちゃん何で反対してるのかな…?喜んでくれると思ったんだよ??」
梢蘭は耳を垂らし、しょんぼりした顔をしていた。
「そりゃぁ、大事な大事な妹が突然自分の妹がいなくなったら混乱するんじゃね?お前もそうじゃなかった?」
「う…うん…。でもなかなか言い出せなかったんだ。」
ったくめんどくせぇ兄妹だなぁ…。
「じゃ、俺ナオキ説得してくっから、出発明日だっけ?準備しとけよ。」
「う…うん。ありがとう三太……。」
そういうと梢蘭は、俺にいきなり抱きついてきた
「オイ、こら!!やめろって!!。」
「さんたと梢蘭はらぶらぶ?」
梢蘭を離しつつ、ライラの誤解を解いてから俺はナオキの自室を訪ねた
「おい、シスコン入るぞ」
ナオキがいつも俺の部屋の戸をぶち破って入るように今度は俺もナオキの部屋の戸をぶち破ってみた。意外とスカっとすんな。

「わかっとった。いつかこんな日が来るってこと、わかっとったんや俺…。」
「まっ、梢蘭のことだ。クリスマスが近くなれば会いにくるさ。だってここはお前らの第二の故郷でもあるんだろ?」
暫く重い沈黙が流れた。ナオキは自分の考えが間違っていてそれを正そうとする時なぜか黙り込む癖がある。恐らくもう答えはでているのであろう。妹の旅立ちを快く見守ることがベストであることに。

「なぁ…三太。まさか俺に内密で梢蘭に手ぇ出してねぇよな?」
「……ばっ馬鹿!!あんなの梢蘭の嘘だ!!誤解すんな!!」
「ならえぇ……暫く1人で考える時間くれんか?」
「あぁ、わかったよ。」

俺はナオキの部屋を後にした。その後ナオキは夕飯の時間になっても外に出ず一日部屋に引きこもってきた。


そして次の日。梢蘭が旅立つ日が来た
「おねーちゃ…ぐすっ…ひっく。」
アスラが泣きながら梢蘭のスカートの裾を引っ張っている
「ほらほらアスラ泣かないのっ!!梢蘭!私も必ずそっちに行くからねっ!!」
ぐずってるアスラをシェトラがあやしながら梢蘭に握手を求めた。
「えぇ、クリスマスには必ず帰ってくるわ。」
「……まぁ。ライラはアレで来れないが、その…元気でな?」
「はい、ライラさんとは昨日の夜たくさんお話しました。レイブさんも兄のことよろしくお願いします!!」
ぶっきらぼうなレイブの挨拶にも、梢蘭は丁寧に答えた。
「……梢蘭…これ…もってきぃ・・・」
そういうとナオキは梢蘭に四葉のクローバーを型どったブローチを差し出した。どうやら部屋に引きこもっていた理由はこのブローチを作っていたためらしい
「………ありがとうおにいちゃん。大事にする…。」
そう言って早速梢蘭はブラウスにブローチをつけた。
「えへへ…みんなありがと…じゃぁね。」

梢蘭は、そう言って踵を返した。いや、まて梢蘭

「散々、俺に迷惑かけといて俺に挨拶はなしかよ!!」

梢蘭は足を一度止め
「ん〜もう!!三太の鈍感!!馬鹿馬鹿!!!…もう知らないっ!!」

と、わけのわからない台詞を吐いて駆け足で俺の言葉から逃げるように去っていった

「俺の大事な妹を困らせるとは、ええ度胸やな〜三太。せやから『ロリコンさん』って言われるんやで〜」
「三太のくせに女の子たぶらかすなんて生意気よっ!!このっロリコン!!」

「なんでお前ら揃いも揃って俺を『ロリコン』扱いするんだよ!あーーーーもうやってらんねー!!」

こうして梢蘭は日本に帰って行った。
ここに来て変わっているのは俺だけじゃないんだ…。

みんなどこかで何か思い悩んだり苦しんだり笑ったりしながら成長していくんだ。

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