サンタクロース物語

一人前のサンタを目指す少年の成長記
+テキストごった煮
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Page13 〜grow up

サンタクロースの時期なんて当に過ぎてしまいました。1年越しも考えましたが、未来の保証はどこにもございませんので。

やれるうち(今)やる強行です。
今年か来年の秋のコミティアにサンタクロース物語でサークル参加できたらいいなとか思ったり思わなかったり。

JUGEMテーマ:小説/詩
 
ここ数年のアスラの成長が半端ない。そりゃ確かに俺達の滞在期間の5歳から10歳になる5年の期間って成長は半端ないものだろうけど、アスラの成長はそんなもんじゃない、表情や言葉遣いにまだ幼さは残るもの妙に10歳とは思えない のだ。シェトラや梢蘭と並べても俺には「同い年の女友達」に見えて仕方ない。こんなことを言おうもんならまた直樹達に「や〜いロリコンー☆」と馬鹿にされそうだが、ここ数日は直樹達も

「アスラー、急に背ぇ〜伸びてきたんちゃう?」
「そーなの今までの服全部着れなくなっちゃって、今私が着てる服着させてるんだけどね〜」
「なんかー夜中に肩ととか足がみしみししてくるのー」

と会話してるので、俺の目は曇っていない絶対に!!

「おねーちゃんの服もう胸が少し苦しいよぉ〜」

!!!俺と直樹は思わずアスラの胸元に目が向いてしまった。明らかに10歳の女の子には少し速い成長の胸の膨らみである。そしてその服の元の持ち主の胸元の寂しさに俺達は思わずため息をついた

「姉妹って似ないもんなんやな。」
直樹がため息をついていうもんだからつい俺も
「ご愁傷様…。」
と便乗する。シェトラが「お前らっホンットお前ら!!」と殴りかかろうとするところを眠りから覚めたライラが止めに入り、アスラを眺め手や足、胸に渡って色々ムニムニと揉み始めてきた
「あはっはああ、なんかちょっといたいけど、くすぐったい〜」
アスラがのライラの手を交わそうとのけぞった時ライラは、アスラに触れる手を止め、こう俺達に告げた
「もうすぐアスラは吸血鬼として本格的に覚醒する…。」
ライラ、俺達に吸血鬼は他の亜人に比べると子供の頃は外的に襲われやすい為、第一成長期が遅く第二成長期が早い事とこの第二成長期の間に魔力を制御する力を身に付け人の血液を吸うようになることで吸血鬼として一人前になるといういことを教えてくれた。
「でも…、この私が長年かけて開発したこの薬を飲めば…この子は吸血鬼にならずに済む」
「え…?」
ライラの突然の提案に驚きを隠せずにいる。
「私は、人間から吸血鬼になって色々と辛い思いもした。できればアスラには同じ思いをしてほしくない。でも、私とアスラは違う…私は、選択肢を増やしただけ…だから二人でよく話し合って決めて?」

………ライラの言うことはいつも唐突すぎてついていけないが、今回はまんざら冗談ということもなさそうだった。

「はい…。3日時間をください。アスラとよく話し合ってみます。」

シェトラはそう言ってアスラと一緒に家に戻った。
10歳になったばかりの少女にこの選択は重すぎやしないのか?俺ならどう結論を出す?
アスラの身に降りかかった突然の大きく重い選択肢を俺は一晩中自分の事の様に考え続けた。

翌朝、俺はシェトラに呼び出された。いつもなら断るところだが、今回は話が違う。以前あいつに殴りかかろうとしたレストランで彼女を待った。5分くらい待ってると目元にくまをこさえたシェトラが現れた。思わず俺は彼女の体調が心配になった
「大丈夫かお前?眠れてないだろ?」
「あはは…わかるぅ〜?……ん…まぁ、そうだよね」
やけに素直に受け答えしてるので薄気味悪い。彼女はハーブティーを頼むといつにない真剣な顔で俺に語りかけた。
「私ね〜。日本に行くことにしたんだー。」
「はぁ!?」
俺は、てっきりアスラのことを相談しにきたのかと思っていたので、シェトラの明後日の方角の告白に思わず声が裏返った。
「うん…日本に行く時はアスラも絶対一緒って思ってたんだけどね。昨日一晩中アスラと話してみて考え変わったわ〜。アスラ、何て言ったと思う!!『答えはもう最初から決まってるけど、おねえちゃんには内緒なの〜』だって!!」
ハーブティがかたりとシェトラの前に置かれる。辺り一面にラベンダーの香りが優しく広がった。シェトラはカップを傾け一口飲んだ。そして遠くを見つめて俺にこう話を続けた。
「隠し事できるようになったんだね。三太達に会うまでは私にべったりで泣いてばっかりだったのに…今では自分のことちゃんと主張できるようになったりさ、隠し事なんかもしちゃったりさ、ホントに成長が早いよね…。見た目だけじゃなくてさ…ここも…ちゃんと…」
そう言ってシェトラは自分の胸に手を当てて俯いた。表情が下を向いてるので確認できないが、もしかしたら泣いてるのかもしれない。泣いてるシェトラなんて見てて気持ちが悪いのでいつものシェトラに戻ってやろうと俺は軽く冗談を飛ばした
「まぁ、お前のまな板は、5年でちっとも成長してないけどな!!」
俯いていたシェトラは、顔を少し手で拭った後で、残りのハーブティーを全部俺の頭めがけてひっかけた。
「なにぉぅ!?人が真面目に話してるのに!!三太の馬鹿っ!!」
「あぁ、それでいいんだ。お前は下手に感傷にふけるより、そういう方が合ってるよ。」
顔や髪の毛はなんだかハーブティーでベタベタして気持ち悪かったが、シェトラの気味悪い泣き顔を観てるよりは数倍ましだ。ベタベタ感を俺が懸命におしぼりで拭っていると、突然シェトラが笑い出した。それはそれで不気味ではあるのだが…。
「……あはははは〜。それもそうだね。うん、なんか吹っ切れた。ありがとね三太。私らしくなった。よし、悩むの終了!!アスラがどっち選んでも、私は応援するだけ…精一杯。」
どうやら、まだ薄暗い表情が残っているが笑顔はつくれるようになったんだ。シェトラはもう一杯ハーブティーを頼み、俺にこう言った。
「ありがとね。三太。」
「別に俺は何もしてねーよ。」
俺はただ自分の思うことをそのまま口にしただけだ。シェトラにこう素直にお礼を言われると背中が痒くなる
「そーいう自覚のないところが三太らしいね。いいことだ。」
シェトラはそう言って頷いた。
その後お茶代はなぜか呼び出された俺の奢りということになった。微妙に納得がいかないが。そういうことをちまちま気にする器の小さい男と言われるのも癪に障るし、まぁ、一緒にお茶をしたことでシェトラが元の調子に戻るのであれば治療費を払ったと思えばいいのかと自分を無理矢理納得させた。

それにしてもアスラは答えを決めてるなんて…本当に姿形だけでなく心まで成長してたんだなぁ……。
「あら、女の子の成長って男の子が思っているより早いんですのよ。うふふ」
帰りがけになんとなく遥と話がしたくて長老の家に立ち寄り彼女と話すと、彼女は屈託のない笑顔でそういった。彼女の笑顔につい俺もつられて口許がゆるむ
「それは知らなかったな。」
確かに言われてみるとそうなのかもしれない。梢蘭も見ないうちに艶っぽくなった気がするし、あんまり直樹にべったりすることもなくなったように見える(まぁ、ブラコン体質は変わってはいないみたいだが)
俺はいつの間にか背後から彼女にぎゅっと抱きしめられていた。背後から漂う甘い香り
背中に当たる彼女の柔らかな肌、耳をくすぐる彼女の吐息全てが俺の身体に伝わってくる
彼女にこうされると、なんだか目を背けていたことに目向けざるをえない状態になる
「…俺は…俺は…成長できたのか?」
思わず心の本音が漏れる。変わろうと思ってここにきたはずなのに、何ひとつ変われていない気がしていつも不安だった。5年の歳月を経て俺は、、、何がしたかったのだろうそれすらも見失っている気がして、不安で怖くていつの間にか小刻みに身体が震えていた。
「大丈夫。あなたはちゃんと成長できてますよ」
彼女は背後でぎゅっと抱きしめていた腕を解き、今度は俺の正面に達俺の身体をなぞった
「5年間で体つきが随分たくましくなりましたね」
そして今度は胸に手をあてた
「そしてここも…ここは自分でもなかなか気づかないところ。ちゃんと成長してますよ」
面と向かって、言われると照れくさくて、でも嬉しくて、自分で気付けないことが悔しくて、情けなくて…色々な気持が渦巻いて、それはやがて一筋の涙となって俺の目からこぼれた。
「ありがとう…。」
今日、ここで俺の決意もようやく固まった。

そしていよいよあれから3日が経ちライラがアスラに答えを尋いた。
「アスラは、どうする?」
「ずっとこのままでいいよ。ずっと前はみんなと一緒になれないのなんでだろう?って思って泣いばっかりだったけど、アスラがライラさんと同じじゃなかったら、三太お兄ちゃん達にも会えなかった。多分これから先いっぱい嫌な事もあるかもしれないけど、きっといいことも同じくらいいっぱいあるから、このままでいいの。ライラさん。また迷惑をかけるかもしれないけれどまたよろしくお願いします。」
アスラはそう自分の考えを懸命に述べたあとライラに向かってぺこりとお辞儀をした。
「アスラよく言えたね〜。」
シェトラや直樹がアスラの頭を撫で、俺もその仲間に加わろうとしたら、突然ライラが力強くシェトラを抱きしめた。
「ありがとう…本当にありがとう…。」
きっとずっと孤高の吸血鬼だったライラにとっては本当はアスラに吸血鬼に、仲間になって欲しかったに違いない。そんな自分のエゴを殺してライラはアスラに新たな可能性を示唆した。ライラもまたこの3日間悩み苦しんだのだろう。
「むぎゅ〜」
アスラも少し苦しそうだが、ライラに仲間と認められたのが嬉しいそうにしてるようにも見える。
「あ、ずるーい私も仲間に入るぅ〜!!」
「どんとこい」
二人が仲よさげにしてるのをねたんだのかシェトラも一緒になって抱き合った。

「なんとか落ち着くとこに落ち着いたって感じか?ええやんええやん」
「あぁ、そうだな」
俺と直樹が楽しそうにしてる3人を見守っていると、オッサンが水を差すようなことを言いだした。
「仲良し大いに結構。だがお前ら、サンタクロースの最終課題発表は一週間後だってことを忘れるなよ」

あと1週間そしてその1ヶ月後には日本へ戻る。
帰還へのタイムリミットが近づいてきた。






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